ドイツ(欧州)でマスク着用に関する意識の変化(2021年6月)

ドイツ(欧州)でマスク着用の意識高まる?!

2021年6月4日にWDR (Westdeutscher Rundfunk = 西ドイツ放送) の「WDR Aktuel(WDR現在)」という報道番組では、このコロナ禍でドイツないし欧州におけるマスク着用に対する意識が明らかに変化したことが報告されました。

ドイツのWuppertal(ヴッパータール)のマスクの型の機械製造業者によると、1年前は、「マスクで利益を得るとは想像もしなかった」とのこと。この業者では、現在1日に100万個のマスクを製造しているとのこと。また、この業者では、コロナ禍以降もマスクの製造をし続けるとのことです。

その背景には、やはり、マスクの効果に対する民衆の評価や意識が変わってきているという事実が一因している様です。

上記の業者では、コロナ禍が終了したら、マスクの製造を終了するかの問いに対して、「コロナ禍が終わったとしても、コロナ以外の病気の感染から子供たちを守るため、子供用のマスクや病気感染予防用のその他の新たなマスクの型(頭部に着用時に心地よいバンドを付けて固定するような型)も考案されている」とのことです。

これは、ドイツ人またはヨーロッパ人のマスクに対する意識の多大な変化によるものです。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=4K5n3x3Ywzc

コロナ禍以前と以後のマスクに対する意識の違い

パンデミックが始まった当初は、未だにドイツや欧州では、マスクを着用することに対する拒否感がありました。例えば、2020年のこの時期には、大都市ベルリンなどドイツ各地で、マスク着用義務に反対するデモが行われ、マスク自体が罵られていました。

ところが、この番組で報告されたレポートによると、世論調査機関であるCivey社が約5000人を対象として「コロナ禍以後も病気から身を守るためにマスクを着用し続けますか?」について統計をとったところ、次の様な結果が得られたとのことです。

「いいえ」と回答41.9 %
「わからない」と回答13.4 %
「はい」と回答44.7 %

情報元:Civey GmbH

Civey GmbH の統計によると、「はい」との回答(44.7 %)が、「いいえ」の回答(41.9 %)を上回っています。

この意識調査の結果は、肯定的な意味でとても意外でした。長年ドイツ(欧州・西欧)に滞在しておりますが、むしろ「いいえ」の回答が圧倒的に多いものと予測したからです。 

街の声

この報道で、「はい、着用し続けます」と答えていた人々の意見は次の通りです。

  • 「もちろん常に着用する必要がないことを望むものの、特定の状況下では、マスクを着用します。」
  • 「特定の時期、例えば、インフルエンザの季節には、きっと着用することでしょう。」
  • 「自分からすすんで着用するでしょう。マスクを着用することによって、めったにどこかで風邪や他の病気などに感染したりしないことに自分自身気づきました。」

また、薬局の経営者へのインタビューでは、コロナ禍の「マスク着用」によって売り上げに変化があったとのこと。つまり、「風邪やインフルエンザ、正に真のインフルエンザ自体の患者が少なくなっているのでこれらの病気用の製品は売れなくなっています」とのことです。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=4K5n3x3Ywzc

コロナ禍で、インフルエンザ患者数が例年より少なかったということは、日本でも報告されていました。しかし、ここドイツでも、同様の傾向があるということになります。

おわりに

そして、このニュースは、次のようにまとめられていました。

「日本、中国、韓国などの国では、寒い季節にマスクを着用することは長い間マナーとして行われてきました。 そして、私たちドイツ人は、明らかにマスクを受け入れることができます。」

これは、とても嬉しいことです。それは、次に記すここドイツでの個人的体験に由来する喜びでもあります。

私は、特に2015年から2016年にかけて免疫低下に起因する病を患った際に、2016年1月初め、日本の実家の母から送ってもらったマスクを着用し、病院へ自転車を引きながら歩いて行きました。自転車に乗れないものの、引きながら病院に行ったのは、とても自転車に乗れる状況ではないけれども、病院に行った後にスーパーで1.5Lの水を6本購入したかったからであり、それを自転車の荷台に積み、自転車を引きながら自宅へ帰るという予定であったからです。

私が、東京の母から送ってもらったマスクを着用して、街を自転車を引きながら病院まで歩く姿や、その後の行先であるショッピングセンターへの道のり、ショッピングセンター内でスーパーに至るまで、そしてスーパーでの買い物中も極めて不快な視線、疑わし気な者を凝視する視線を至る所で受けました。

スーパーで、1.5Lの水を6本購入し、自転車置き場に戻ったところ、私の自転車は、盗まれていました。(ちなみに、私がここドイツで盗難の被害にあった自転車は、今までに3台に上ります(厳密には、盗難2台、放火1台)。。。)

しかし、今後は、マスクを着用していても、かつてのような変な目で見られることはないのであろうと、このニュースを観て期待した次第です。

ただし、とても気になるのは、このニュースに対する視聴者の評価です。

この記事の投稿前に今一度改めて、視聴者のこの報道に対する評価を確認したところ、現時点で、Goodの評価が1000強に対して、Badの評価が7000強になっています。。。

残念ながら、インターネット上でこの報道をみた視聴者の評価おいては、上記の調査結果とは違い、マスク着用を肯定する人々に対して、その7倍以上人々が、マスクを使用したくないという評価ということでしょうか。

上記の報道と全く異なるこの報道の視聴者の評価をどう理解すればよいのでしょうか。。。

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